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第5回 マカオ生まれの日本人実業家 渡邊章太郎さん

第5回 マカオスペシャリスト対談 今回のゲストはマカオの老舗旅行会社、サウスチャイナトラベルの渡邊章太郎さんです。 渡邊さんはマカオ生まれマカオ育ちで、旅行業を主にエンターテイメント業や出版業など幅広く活躍する若手注目実業家。 今回はマカオ旅行のオススメのみならず、生活者として、またビジネスマンとして渡邊さんが観ているマカオの姿についてお話を伺いました。

 (以後 渡邊章太郎さん:、マカオナビ:

  マ:サウスチャイナトラベルさんのご紹介をお願いします。 渡:弊社は79年に私の両親が立ち上げた日本人専門の旅行会社で、創業時から主に日本の旅行会社さんの現地受け入れ先として、お客様をマカオで受け入れてきました。現在も複数の旅行会社さんと、まんべんなくお仕事させて頂いています。 ガイドの4割は日本人、その他のガイドも日本語が堪能で、100%自社のガイドでサービスを提供していますので、質の高い均一的なサービスが弊社の特徴です。 マ:マカオ観光を縁の下で支える達人集団ですね。(笑)   『これをするとマカオ観光がぐっと楽しくなるよ』というようなオススメはありませんか? 渡:マカオ観光なら定番の世界遺産(聖ポールやセナド広場、媽閣廟)は是非観て頂きたいのですが、時間があるなら路地歩きがお薦めです。 弊社のツアーに路地を抜けて定番以外の世界遺産を散策するものがあるのですが、ご参加頂いた方からはとても好評を頂いています。 マ:マカオの路地は私も大好きでよく散策しますが、マカオは路地だらけですよね。旅行者が簡単に楽しめる路地散策ならばどの辺りがオススメでしょうか? 渡:例えば民政総署から聖オーガスティン広場まで、少し脚を伸ばして散策するだけでもいいですよ。  <聖オーガスティン教会> この広場周辺は世界遺産がギュッと集中していますし、中でもドン・ペドロ5世劇場などは普段入館できませんが、それでもみなさん「良かったと」喜ばれます。 マ:確かにドン・ペドロ5世劇場はとてもかわいらしい素敵な劇場ですよね。不定期ですが頻繁にコンサートなども行われていますので、興味のある方は渡航日を調整してみるのもいいと思います。→コンサートの様子とドン・ペドロの画像はこちら 歴史的な街並みやその成り立ちこそがマカオの魅力だと思うのですが、その割に伝統的なお土産品などが無いので困ってしまう人も多いようです。何かいいお土産はありませんか? 渡:文化的な物でしたら書籍や、キリスト教の小物などはいかがでしょうか? セナド広場から5分ほどのところに私たち地元の者がよく利用する書店があります。ここはお土産になりそうなポルトガルの本も沢山売っている良いお店です。 それからカテドラルの近くに聖保禄書局(Livraria sao Paulo) というカトリックの書店があるのですが、2階にロザリオやカトリックのグッズが沢山売っています。ここは教会のお店ですからシスターが店員をしています。 マ:シスターですか?珍しいですね。 渡:最近では祝日などに聖ドミニコ教会の資料室へ向かう通路でもシスターがキリスト教の小物を販売していることがあるんですよ。 マ:さすがは渡邊さん。これは面白いなぁ。 マカオの本屋さん  こんなお土産はいかが?   マカオの滞在スタイルやホテル選びはどうでしょうか? 渡:マカオではゆっくり、できたら2・3泊くらいホテルライフを楽しみつつマカオを散策して頂きたいと思います。ホテルの選び方としては、初めてのマカオならばヴェネチアンを初めとするコタイの大型カジノホテル、2回目以降はMGMなどマカオ半島のホテルをお選び頂くと良いと思います。 マ:ホテルライフを楽しむとなると、今名前が出たような高級ホテルになるんでしょうね。 渡:仰るとおり!弊社で取り扱っているツアーですと一番下のクラスでも四つ星のある程度満足度の高いホテル(2011年現在だとリオホテルやエンペラーホテルなど)を利用しています。 週末予約出来ないことが多いのでツアーでは使えませんがWynnはどなたにでもオススメ出来ます。 個人的にはグランドリスボアのコーナールームが大好きですね。 マ:グランドリスボアは私もトータルで考えればマカオNo.1だと思っています! ただ、(カジノ印象が強くてストリップなどのアダルト施設があるため)誰にでも勧められるホテルでは無いんですよねー(笑) 渡:ええ、ですから『個人的には』です(笑)    渡邊さんは美味しいお店もよくご存じなんでしょうね。普段はどんなお店に行かれるのですか? 渡:普段は大衆食堂のようなローカルの茶餐廰(チャーチャンティン)によく行きます。ミンチィご飯とかチキンカレーとか、セットで1食30ドルとかのお店で、あまり観光客向けではありませんが地元現地食を味わえます。 プライベートで行くけれど観光客にもお勧めのお店なら、民政総署脇を福隆新街の方に入ったところにある『上海長城菜館』と、先ほどのドンペドロを南に下った龍嵩正街の『アフォンソ3世』(ポルトガル料理)がおすすめです。 『上海長城菜館』は、上海焼きそばがいい匂いで美味しいんですよー。 『アフォンソ3世』はPorco a Alentejana <アサリの白ワイン炒め>が絶品です。 マ:うわー旨そうですね。ビールやワインを飲みながらワイワイやりたいなぁ。今度行ってみますね。

マカオ生まれマカオ育ちのビジネスマンは今のマカオをどう見ているのか?

  マカオに昔からいる方は今の変化に戸惑う方も多いようですが、いかがですか? 渡:確かに急激な経済発展には様々な側面があり、そのような声もあります。 しかし、私は今の活気あるマカオが好きです。 子供の頃との変化はすさまじいものですが、マカオにとってカジノと観光による発展は正しい選択だったと思っていますし、そのお陰でマカオ人は大きな恩恵を得ました。   マ:マカオの好景気を受けて日本人在住者が増加傾向にありますが、マカオの居住・ビジネス環境はいかがでしょうか? 渡:居住に関しては、生活しやすいと思います。 マカオの社会はカジュアルな付き合いの時は外国人でも容易に受け入れます。マカオ人はとてもフレンドリーで欧米的な付き合い方をしますので、すぐに馴染めるでしょう。 一方、ビジネスにおいてはやはり壁があります。まず、労働ビザの問題がクリアできなければ働くことができません。簡単には発行されませんから外国人を雇用する企業にとって大変な問題です。 また、これは日本でもでもそうだと思いますが、人と人の繋がりや信用を重要視しますので、ビジネスにおいてしっかりした関係を築くには時間がかかります。 マ:確かにビザはもう少し緩くして欲しいとの声をよく聞きますね。 渡:ええ、それでも以前に比べれば外国人労働ビザ問題も徐々に改善されていて、政府も努力してくれているようです。   マカオで日本人観光客や生活者が巻き込まれる犯罪にはどのような傾向がありますか? 渡:大規模な犯罪に日本人が巻き込まれることは全くありませんが、最近はスリが増加しています。日本人観光客が被害に遭うエリアは、ほぼセナド広場と新馬路周辺に限られていますので特に注意して下さい。 盗られた財布やバッグが戻ってくることはほとんどありませんので、バックは前に持ち、海外にいることを自覚して油断しない事が重要です。 マ:パスポートはコピーを携帯して、本物はセキュリティーボックスに入れておくのが賢明ですね。   日本人の中には中国の反日姿勢を心配する人がいますが、マカオも急速に中国化して行くのでしょうか? 返還から11年経って、教育やマカオ人らしさは変わっていますか? 渡:そこは心配いらないと思います。 マカオはポルトガル植民地時代の480年間 教育学習制度や学習指針を全て自分達で考えて実践してきました。各学校には個性があり政府はあまり口出すことはありませんでした。これは返還後も変わっていません。 マカオ人の外国人を受け入れるオープンマインドを育てるためには今まで通りの教育が必要ですし、皆さんが心配される反日教育などが強制されることは無いと思います。 マ:良かった。私も心配していたのです。 渡:ただ・・。 マ:ただ? 渡:中国化して行くのかという質問はYESです。 というよりも、既にマカオは中国です。 マカオ人に国籍を問えば、マカニーズや一部の混血を除き多くはプライドを持って「自分は中国人」だと答えるでしょう。 中央政府(中国)と仲良くするのがマカオの将来の発展のためには良いという政治選択は正式な統一に向かって当然のことで、流れを変えることはできません。 50年掛けて中国化することになっていますが、労働法などの法規も含めて既に大きく変化しているのが実態です。 マ:中国であって中国でない。これがマカオの魅力では? 渡:マカオの良さは変わりませんよ(笑) 逆流できない流れに逆らうのではなく、この流れにどう乗って、どこにチャンスを見いだすのかということを目標にして皆さん動いていますので、結果的にマカオの魅力を高めることになると思います。 マ:なるほど、その視点で見ると観光業はまさに発展の中核ですから今後が楽しみですね。   どのような目標(ビジョン)をお持ちですか? 渡:サウスチャイナの基本は今まで通りですが、今後は企業のインセンティブツアー、ミーティング、エンターテインメントイベントなどにも力を注いで行きたいと考えています。 特に中国に拠点を持つ日系企業が日本からお客様を連れてこられる事や、中国人スタッフと日本人スタッフの会議をマカオで行う機会が増えていますので、ここを拡大したいと考えています。 マ:エンターテインメントと言えば、2010年にマカオでコンサートをしたAKB48さんは香港やマカオでも大人気のようですね。 彼女たちのような知名度の高いアーティストの大型コンサートイベントを行うということでしょうか? 渡:香港やマカオの現地市場で知名度が高くなくても全く問題ありません ホテルのファンクションルームで300名ほどのプライベートコンサートを行い、アーティストと触れ合えるパーティーとセットにすれば、ファンが喜ぶツアーが組めます。 マカオは日本から近くて、治安がよく、ホテルもライブ会場も観光も充実していますからちょうどいいのです。今年は既にこのようなエンタメイベントを複数ご相談頂いております。 マ:なるほど、ファンツアーですか!それは楽しそうだなぁ。 今後も渡邊さんとサウスチャイナトラベルのご活躍に期待しています。 ありがとうございました。 **************************** 多くの旅行会社の現地受け入れ先としてマカオを案内するマカオの達人集団サウスチャイナトラベル。 ツアーに参加したことのある方は、知らないうちにサウスチャイナさんの御世話になっているかもしれませんね。 対談中の『マカオ人は中国人』という言葉は渡邊さんだからこそ言える言葉で、マカオの現状を見た気がします。 日本で言う『関西人』のような地域属性になってしまったのだと思うと チョット残念な気もしますが、マカオの発展のためには仕方ないのでしょう。 マカオらしさが末永く継承されることを祈るばかりです。   ゲスト:渡邊章太郎さん サウスチャイナトラベル ディレクター 1974年マカオ生まれマカオ育ち。高校・大学時代を日本で過ごす。 日本語、広東語、北京語、英語を使いこなす国際人