皆さんは『マカオ料理ってどんな料理?』って聞かれたらなんと答えますか?
私は『マカオで手に入る食材で作った、ちょっとスパイシーな洋食だよ』なんて答えたりしているのですが、実際にはそんな一言で到底言い表せない複雑な料理であることは、マカオファンの皆さんならご承知の通り。
そもそもこれでは美味しさも味の特徴も伝わらないので結局あれやこれや説明しますが、最後には『実際に食べなきゃ分からない』となってしまいます。
マカオ料理とポルトガル料理(マカオ風)との違いを説明するだけでも大変なのに、最近は洗練されすぎのお店も増えて、私にも正解が分からないんですよね。
そこで、基本に返って返還前に書かれた本ですが、ポルトガルから長崎に伝わった『南蛮料理』を各寄港地ごとの特徴を踏まえて体系的にまとめた良書をご紹介いたします。『南蛮料理のルーツを求めて』
1999年の本ですから現在とは異なる点もありますが、テーマが過去にさかのぼる事ですから、内容自体はむしろ新鮮。
ポルトガル料理がマカオにたどり着くまでにどの寄港地でどんな風に変化してきたのか、ポルトガル本国の料理と比較した内容も面白く、ポルトガルへ行ってみたくなります。
よく知られた定番マカオ料理もルーツが分かると味わいが違いますよ。
興味深いのは本書の中で特徴的なマカオ料理として紹介している3品のうち『血鴨』『達祖』が今では定番マカオ料理となっていない、むしろあまり見かけない料理になっている点で、特に『達祖』に関しては私も未だ食べたことがありません。
本書ではリスボアの不夜天にあると書かれていますが、うーん、今でもあるんだろうか?
『これはもっとマカオ料理を極めなければ』と、改めて強く感じました。
マカオの急速な発展がマカオ料理という食文化も激変させているのなら、早く食べないと無くなってしまうかもしれませんね。
ちなみにこの本もとっくに絶版になっているので、中古しか入手出来ません。
図書館かAmazonで探して下さい。