議事亭脇から福隆新街を越えて30mほど行くと、ドン・ペドロ5世劇場の方へ近道できる坂路がある。
意識して使ったことはないけれど、このあたりを紅窗門街というらしい。赤い窓と門の街、なるほど此路もかつては遊郭が並んでいたのか、福隆新街だけじゃなかったんだなぁ。むしろこっちが先かな?
そんなことを考えながら、街角のアズレーションを見上げていると、坂道の方から『歩き方』を眺めながらキョロキョロしている青年が歩いてきた。
迷っているなら道を教えようかと思ったのだけれど、かつてバックパックを背に『歩き方』だけを頼りにあちこちを歩き回った懐かしい日々を思い出し、声を掛けるのをやめた。
『できたら日本人に会いたくない』そんな時期もあるからね。
とちょっとノスタルジックな気持ちになった。
ちなみに彼が下ってきた坂道は『夜蜻」(口偏に母)斜巷』