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端午の節句とマカオの伝統行事 – SJMドラゴンボート国際フェスティバルが開催

暦が旧暦である中華圏のマカオ。日本では「五月五日の背比べ〜♪」の歌のごとく、5月の子供の日が「端午の節句」だが、旧暦のためほぼ1ヵ月遅れて6月10日前後が端午の節句(端午節)となる。マカオの中心地にある人工湖【南灣湖】で毎年開かれるドラゴンボートの国際レースが今年も開催され、今年はマカオのIRの顔ともいうべきリスボアホテルの運営会社のSJMがスポンサーとなり、【2024澳娛綜合澳門國際龍舟賽】として、6月8日~6月10日の3日間にわたって開催された。

せいくらべ

石に刻まれた詩が見える画像。周囲には緑の植物が生えており、自然に囲まれた穏やかな雰囲気を持っている。
写真提供:静岡市立西豊田小学校

「柱のきずはおととしの 五月五日のせいくらべ
ちまきたべたべにいさんが はかってくれたせいのたけ」

今はどうなっているのかは知らないが、ある程度の世代までは知らない人はいない童謡「せいくらべ」。
自分にとってこの歌は切っても切れきれない縁がある。人生で初めて【ちまき】という食べ物の存在を知ったのは、間違いなくこの歌。小学校の頃、先生が「ちまきというのは、この端午の節句に食べる笹の葉で巻いたお菓子みたいなもの」という話しを聞かせてくれた。

「それってどんなモノなのだろう?」と興味を抱き母に聞くと「笹団子だよ」あるいは「柏餅だよ」と、聞くたびに答えは変わっていき、結局のところちまきの正しい姿なるものを食す機会に恵まれるには、それから四十星霜もの時を数えることになる。
海外移住してマカオに引っ越してきてから初めて食べた本物のちまき。最初に食べに行った飲茶のなかにちまきがあり、「これがちまきかー!」と思ったことを今でも覚えている。

さて、この童謡のせいくらべ。
作曲は多くの童謡を残した中山晋平。そしてその作詞は海野厚(1896年8月12日 – 1925年5月20日))。

海野厚はわずか28歳でこの世を去った、童謡作家であり俳人であった。
自分の母校である静岡市立西豊田小学校のあたり一帯は海野家の土地であったというくらいの大地主だったが、自分の母の頃には「あそこにあるお店屋さんの家だよ」というくらいに小さく没落。かつての大地主のイメージにはほど遠かった。しかし周辺に海野の姓の家は多く、西豊田小学校の校庭には「せいくらべ」の碑が立っている。
そして海野家の墓は小学校に隣接している法蔵寺にある。その法蔵寺のご住職一家の方もこれまた小〜中学校時代の同級生。
このような流れもあり、【ちまき】という正体不明の謎の食べ物の名前は、自分の中で幼き頃の歌に学舎にと、深く刻み込まれていた。

本場中華圏での【ちまき】とは?

A variety of traditional Chinese dumplings, including zongzi, displayed on wooden platters alongside tea and various beans and spices.
最近では端午の節句の贈答品としても用いられるちまき。これはSJMがお土産用にデコレーションされて端午の節句に販売しているもの。

飲茶に欠かせないひとつである【ちまき】。

飲茶に出てくる【ちまき】は分かりやすくいうと、「餅米で炊いた混ぜご飯のおにぎりのようなもの」を笹の葉で巻いたもの。実に食べやすい味で、そのなかには椎茸や豚の角煮や鶏肉、アヒルの卵の塩漬けの黄身などの具材が詰まっている。日本食でいうところの「主食(ご飯の意味)」のない飲茶のコースにおいて、最後に〆の一品的によく食す。
そのちまき。
どうして端午の節句に食し、そしてそれがどうしてドラゴンボートへと繋がるのか?

このマカオ・香港を含む中華圏に古くから伝わる物語がある。

今から数えること2300年前、中国の楚(そ)の時代。
国王の側近であり詩人でもあった屈原【くつげん】(紀元前340頃~紀元前278年頃)という者がいた。陰謀に嵌り国を追われた屈原は国の将来を憂いて汨羅(べきら)という川に身を投げた。
そのことを知った民衆が川の底に沈んだ屈原の遺体を守ろうと、魚などが遺体に寄りつかないように小舟の上から太鼓を叩いて大きな音を出したり、ちまきを投げ入れて魚がそれを食べ、川底に沈む屈原の遺体に近寄らないようにしたという話が言い伝えられている。

このことがドラゴンボートとちまきを結びつける話の起源となった模様で、その命日(旧暦の5月5日)にちなんでドラゴンボートとちまきを食べる日となった。おそらくこれらが仏教伝来とともに日本に伝授して端午の節句(5月5日)にはちまきを食べる、という風習として残ったのではないか? と思われる。ただしこれがどういう変節で「こどもの日」の行事となるか? はまた別に譲る。
この時期、暑さが急激に上昇する時期であり、湿気が多いことなどから細菌や雑菌がわきやすく、病気から身体を守るという意味から厄除けや、健康に成長するようにと願いを込められているとされている。また笹の葉で包むこともこれら雑菌からの予防だという。

汨羅。それは湖南省と江西省を流れる川

ドラゴンボート国際フェスティバルのはじまり

マカオにおけるドラゴンボートレース

ドラゴンボートレースの参加者たちが水上で競い合う様子を描いた画像。背景にはマカオの都市景観が広がり、青空が広がっている。
1986年のドラゴンボートレースの様子右手前方に見えるホテルが現在のArtyzen Grand Lapa Macau Hotel

この話の起源の真偽はロマンの果ての悠久の物語として捉えたとしても、現代のドラゴンボートはその流れとは異なり、今ではスピード競技となっている。
マカオのドラゴンボートの歴史は1841年、清の時代から始まったという記録が残っている。

イベントとしてのドラゴンボートレースは1979年から始まり、それ以前から民間団体が開催はしていたが、この年から現在へと続くイベントとなった。
当時はマカオ半島とタイパ島の間を流れる海(河口)で開催。当時のリスボアホテルを運営していたS.T.D.M.(現在のSJMの親会社)が9つのチームを招聘し開催した。その後は規模が年々拡大し、1982年には当時のマカオ政府旅遊局とS.T.D.M.が共催となり、現在と同じ国際イベントへと昇格させた。そして場所は海(河口)から現在の南湾の人工湖へと会場は移された。写真提供:張耀棠

2024 SJM Macau International Dragon Boat Races(澳娛綜合澳門國際龍舟賽)

現代のドラゴンボートレースは場所は同じ南湾湖でも街の風景は様変わりし、マカオタワー・マカオ立法会の建物を背景に開催されています。

今年のレース、男女で全138チームが参加。チームの構成はボートの大きさと競技の距離、男女で最大6クラスに分れる。
最終日は3クラスで国際レースが行われた。
参加国別では中国・香港・タイ・シンガポール・フィリピン・カンボジアからのチームをマカオのチームが迎え撃つ構成。

決勝は国際レースで男女共に中国南海九江チームが優勝。
大学生の部門では山東省から来た聊城大学が優勝を収めた。
対してマカオ勢はマカオ選抜チームの女子が四位、男子は三位。

マカオの地元チームだけで争うマカオオープンはマカオの消防局チームが優勝。二位と三位はSJMのA/Bチームが占めた。
そのほかは女子小型ドラゴンクラスで優勝はマカオ青少年発展協会Aチーム。二位はSJMゴールデンロータスA、三位は通利建築女子チーム。
スモールドラゴン部門でマカオ大学A。二位はマカオ理工大学A、三位はマカオ科技大学Aがそれぞれ入賞。

スタンダードドラゴン女子部門で優勝がマカオ青少年発展協会。二位がサンズチャイナ、三位SJMロータス。
男子はマカオ消防局が優勝。二位はSJMゴールデンジュビリー、三位はwynnがそれぞれ入賞。
マカオ政府の部署対抗レースでは優勝、消防局(パーフェクトウイン!)。二位は海事水務局、三位に市政庁Aチーム。

開催地:南湾湖

三日間に渡って南湾の人工湖で開催されたドラゴンボート。今年も華やかかつにぎやかに開催されました。

毎年、6月の旧暦の端午節にあたる時期(おおよそ6月の第二週前後)に開催されるこのドラゴンボートレース。一般観客の観戦は無料。地元ではTVの生中継もあるビッグイベント。
この時期にマカオを訪れてドラゴンボートレースを観戦し、ちまきを食べ、悠久の歴史のひとつに思いを馳せるのも、このマカオを含む中華圏での時間の楽しみのひとつかと思います。写真提供:SJM Resorts S.A.

この記事は2024年6月20日 地球の歩き方web版に寄稿したものを転載したものです。

SJM Resorts
リラクゼーションと至高の満足を与える空間

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