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聖ロクス聖像巡行

教会の典礼暦によると、聖ロクスの記念日は8月16日ですが、マカオでは7月に聖ロクスを讃える敬礼活動が行われます。
マカオにおける「疫病退散の守護聖人」である聖ロクスへの敬礼は1889年に遡ります。当時マカオでは「黒死病」と呼ばれるいわゆるペストが大流行していました。この深刻な状況の中、ラザロ堂区のキリスト教徒集落「進教圍」(注釈:マカオのカトリック聖ラザロ教会を中心とし、その四方に一帯に広がる街区を「進教圍」と呼んでいた。現在は望德堂坊/Bairro de São Lázaro)の信徒や信徒組織「濟貧會」が聖ロクスへの敬礼を呼びかけ、7月の第二日曜日に聖像行列を執り行いました。また、その前には9日間の祈祷も捧げられておりました。

当時の疫病は、聖人の執成しの祈りによって速やかに終息へと向かいました。そのため、マカオ聖母ラザロ堂の信徒たちは、それ以降毎年、聖人の執成しへの感謝を込めて、7月の第二日曜日に聖像行列を行い、その前に9日間の祈祷を捧げるようになりました。また、聖ロクスへの感謝と記念として、後に街路を再整備した際、「進教圍」の通りに聖人の名が付けられました。ただし、それは直接「聖ロクス」(聖羅格)ではなく、聖祿杞街(Rua de São Roque)と名付けられました。
【疫病退散の守護聖人:聖ロクス】
聖ロクスは13世紀末、フランスの高貴な家庭の独り子として生まれ、学問を好み、熱心な信仰心を持つキリスト教徒として育ちました。20歳の時に両親が相次いで他界すると、彼は名誉や富をすべて投げ打ち、巡礼の旅に出ました。
彼がイタリアに到着した際、現地ではペストが猛威を振るっていました。聖人はすぐに立ち去るどころか、その場に留まり、病人を看病し、慰め続けました。聖ロクスがイエスの聖名によって十字架の印を結び祝福すると、病人たちは薬を使わずとも全快したと伝えられています。
その後、聖ロクス自身もペストに感染してしまいましたが、他人の負担になることを避けるため、彼は森の中に身を隠しました。その時、神は一匹の犬を遣わし、定期的に彼のもとへ食べ物を届けさせました。犬の飼い主はこれに気づき、聖ロクスに憐れみの心を抱き、彼を家へ連れ帰って静養させ、回復へと導きました。

【マカオ非物質文化遺産(無形文化遺産)】
「聖ロクス聖像巡行」は、2020年6月30日、マカオ文化局によってマカオ非物質文化遺産(無形文化遺産)の「社会的慣習、儀式及び祭礼行事」のカテゴリーに登録されました。
マカオのカトリック教会が行う聖像行列は、単にマカオが誇る100年以上の歴史を持つ宗教的習俗であるだけでなく、長年にわたる集団的な経験を通じて、信徒たちのアイデンティティを形成する役割を果たしてきました。それはマカオ教区の信徒たちに独自の特質を与え、固有の方法と理念でキリスト教の信仰を表現する、マカオの信徒ならではの重要な特徴の一つとなっています。
